「ウィッチウォッチ」第17話感想：ジグザグの罠と“クソゲーム”が映す乙木家の絆

あの夜、モニターに映った「私の名はジグザグ私とゲームをしよう」という言葉に、胸が冷たく締めつけられたのは私だけじゃなかったはず。第17話「デスゲーム挑まれたけど…／LONG LONG A GO GO」――これは単なる回ではなく、乙木家の絆を深く刻む“クソゲーム回”だった。

この記事を読むとわかること

画像は公式サイトより引用。

守仁、ニコ、カンシ、ケイゴが監禁され、知らぬ場所で目覚める。そこにはマスクをつけた謎の影と、声だけが響く画面。四人に告げられたのは、「ジグザグ」という名で、自分と“ゲーム”をしようという誘いだった。

ジグザグとは何者か？その正体はいまだ闇の中だ。しかし、その存在そのものがこの回の核を成している。「デスゲーム」ならぬ、捻りのある“クソゲーム”。内容は単純だが、選択と罰、そして心理的揺さぶりの妙が、視聴者の鼓動を奪った。

視聴者からは、「クソゲーに付き合った上で改善案を出す」モイちゃんの優しさが際立ったという声もあるほど :contentReference[oaicite:1]{index=1}。

あくまで遊びのようで、終盤には精神を削られるような緊迫感。それが“クソゲーム”の真髄だ。視聴者は笑いながらも、どこかで心拍が荒くなるジレンマを感じる。

ゲームのルールが明確でありながら、心理戦と罠が渦巻く。この展開こそが、ただのギャグ回ではなく“狂気の回”へと昇華させているのだ。

ジグザグとは透明な存在かもしれない。でも、その“問い”によって浮き彫りになるのが、乙木家の守るべき日常だ。日常即非日常、その狭間で笑っていた君たちの姿こそ、この物語の芯。

恐怖に囚われた中でも、守仁は無表情でも、ニコは必死に状況を探り続ける。カンシの視点とケイゴの静かな決意。それぞれのキャラクターが、自分の“いつも”を守るために闘っていた。

その闘志が、日常を守る意思として結晶する瞬間。それこそが「乙木家とは何か」を描いたシーンだった。

さよなきさんが表現したように、この回は――“人生で一番長い日”だった。過呼吸のような緊張、意識の交錯、そして静かな誓い――それらが一つになった夜。

それでもニコたちが守り抜いたのは、ただの日常。笑い、無邪気さ、緩やかな日々。ジグザグという存在が、それを逆に照らし出してしまったのだ。

守仁には“黒い目”という表現が繰り返される。それは感情の欠落を示唆していた。しかし、この回で一瞬、心臓が跳ねる描写も。無表情の彼が、内側では揺れていた。

子供時代の記憶、ニコへの想い、甘えていた瞬間の一体感――それらが守仁の中で化学反応を起こし始めたのかもしれない :contentReference[oaicite:2]{index=2}。

ニコもまた、自分が守仁を好きになった瞬間を思い出す。幼い頃、家を壊した魔法の暴発、泣いていたニコを抱きしめた守仁。彼女の“好き”はそこから始まった。

そんな記憶が、緊迫の中で浮かび上がる。これは恋というより、“感情の再起動”だ。

ジグザグの正体はいまだ謎。しかし、その問いかけは物語の核心に触れている。選択肢を突きつけ、心の奥底をえぐるような質問。これは作者からの伏線であり、これから広がる人間模様の序章だ。

第18話が始まるその前に、第17話で乙木家は確かに変わった。守仁の内面、ニコの決意、仲間同士の機微。それらが揃って、もう単なる日常では足りないことが伝わってくる。

次回、その風がどう吹くのかを考えるだけで、胸の奥に灯が宿る。

『ウィッチウォッチ』第17話は、ジグザグという謎の存在が仕組んだ“クソゲーム”によって、乙木家の絆と日常への覚悟をあぶり出した回だった。ゲームの正体よりも、それに挑んだ四人の反応こそが、本当の主題だった。

守仁は無表情の中で心を震わせ、ニコは感情を取り戻し始めた。そしてカンシもケイゴも、それぞれの強さで仲間を支えた。

この回には説明など必要ない。見逃したら、一生後悔するかもしれない――そんな緊張と優しさが共鳴している。

次への期待を胸に、あなたも“観ずにはいられない”その意味を、きっと感じ取っているはず。

『ウィッチウォッチ』第17話は、ジグザグという謎の存在によってもたらされた“クソゲーム”を通して、乙木家の日常の尊さと仲間の絆を鮮やかに描いた回でした。

笑いと緊張が入り混じる独特の演出により、視聴者はただのギャグ回では済まされない、感情の余韻に包まれます。

守仁とニコの関係性の微妙な変化、仲間の結束、そして心の奥に潜む“選択”の意味がにじむこの回は、まさにシリーズのターニングポイント。

次回への期待を胸に、今こそ第17話を見返して、“あの日の乙木家”をもう一度、心に刻んでください。