「仮面ライダーZX(ゼクロス)」は、昭和ライダーシリーズの中でも幻の存在とされる10号ライダーです。
テレビシリーズがなく、スペシャル番組『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』でのみ映像化されたため、その詳細な物語を知らない人も多いかもしれません。
本記事では、そんな仮面ライダーZXのあらすじを完全解説し、彼がどのような戦いを繰り広げたのかを紹介します。
- 仮面ライダーZXの誕生と企画の背景
- ZXのあらすじとバダン帝国との戦い
- 昭和・平成・令和作品でのZXの活躍
画像は公式サイトより引用。
仮面ライダーZXの物語とは?10号ライダー誕生の背景
仮面ライダーZX(ゼクロス)は、1982年に誕生した「仮面ライダーシリーズの10号ライダー」です。
しかし、ZXは他のライダーとは異なり、テレビシリーズを持たない幻のライダーとして知られています。
彼の物語は、雑誌連載やラジオドラマ、そして1984年に放送されたスペシャル番組『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』で描かれました。
ZX誕生の経緯と企画の歴史
仮面ライダーシリーズは、1981年の『仮面ライダースーパー1』を最後に一度終了しました。
しかし、「仮面ライダーの復活を望むファンの声」が高まり、東映と講談社を中心に「10号ライダー企画」が動き出します。
このプロジェクトは、主に雑誌『テレビマガジン』『冒険王』などで展開され、テレビシリーズは予定されていませんでした。
そして1982年8月、「仮面ライダーゼクロス(ZX)」という名称が決定し、正式に発表されました。
昭和ライダーシリーズにおける位置づけ
ZXは、仮面ライダー1号からスーパー1までの系譜を受け継ぐ「昭和ライダー最後のライダー」と位置づけられています。
彼のデザインはV3をベースにしており、強化改造を施された「パーフェクトサイボーグ」として設定されました。
また、ZXの最大の特徴は、「忍者ライダー」としての能力を持つことです。
従来のライダーよりも多くの特殊装備を持ち、隠密行動や変則的な戦闘を得意としています。
ZXの登場によって、「ライダーは改造人間である」という基本コンセプトが再確認され、以降のライダーシリーズに影響を与えました。
「仮面ライダーZX」あらすじ完全解説
仮面ライダーZXの物語は、歴代の仮面ライダーたちと異なり、「悪の組織に改造された青年が復讐を誓う」というダークなストーリーが特徴です。
ZXこと村雨良(むらさめ りょう)は、バダン帝国に囚われ、脳以外の99%を改造された「パーフェクトサイボーグ」となります。
しかし、事故によって自我を取り戻した彼は、バダン帝国への復讐を決意し、戦いに身を投じていくのです。
主人公・村雨良とは?悲劇の改造人間
村雨良は、**ブラジルの大学に通う青年**でした。
しかし、ある日、姉・村雨しずかと共にアマゾン奥地へ調査に向かった際、バダン帝国の怪人たちに捕らえられてしまいます。
姉はその場で処刑され、良は人体改造手術を施されてしまいました。
脳以外の99%を機械化された彼は、感情を奪われた「パーフェクトサイボーグZX」として、バダン帝国の兵士として利用される運命を強いられます。
しかし、ある事故がきっかけで自我を取り戻した良は、復讐を誓い、仮面ライダーZXとして戦う道を選びます。
悪の組織「バダン帝国」とは?
バダン帝国は、歴代の悪の組織(ショッカー、ゲルショッカー、デストロンなど)を裏で操っていた黒幕的な存在です。
彼らの目的は、人類を支配し、最強の暗黒帝国を築くことでした。
バダン帝国の幹部・暗闇大使は、ショッカーの大幹部「地獄大使」と深い因縁を持ち、ZXの前に立ちはだかります。
彼らは、最新の科学技術と強力な怪人軍団を駆使して、ZXを抹殺しようとするのです。
ZXとしての覚醒と復讐の戦い
バダン帝国の施設から脱出した良は、日本へと帰還し、組織への復讐を開始します。
彼の戦いは孤独でしたが、次第に歴代仮面ライダーたちと出会い、仲間として迎え入れられます。
そして、9人ライダーの助けを得て、ZXはバダン帝国の野望を打ち砕くための最終決戦へと挑むことになるのです。
「10号誕生!仮面ライダー全員集合!!」の内容
1984年1月3日に放送された『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』は、仮面ライダーZXが映像作品として初登場した特別番組です。
この作品では、仮面ライダーZXの誕生と、歴代ライダーたちとの共闘が描かれ、仮面ライダーシリーズの節目となる重要なエピソードとなりました。
ZXの物語の完結編とも言える内容であり、彼が正式に「仮面ライダーの仲間」として迎えられる瞬間を描いています。
歴代ライダーとの共闘!オールライダー集結
このスペシャル番組の最大の見どころは、1号からスーパー1までの9人の仮面ライダーが勢ぞろいすることです。
それまでZXは孤独に戦っていましたが、この番組でついに歴代ライダーたちと合流し、「10人目の仮面ライダー」として正式に認められます。
また、各ライダーが得意技を活かしてバダン帝国と戦う場面は、昭和ライダーシリーズのファンにとって非常に印象的なシーンとなりました。
バダン帝国との決戦!ZXの活躍
バダン帝国の野望を阻止するため、ZXと9人ライダーは最終決戦に挑みます。
敵の幹部・暗闇大使は、歴代の悪の組織をも凌ぐ強大な力を持ち、ライダーたちを追い詰めます。
しかし、ZXは己の力を最大限に発揮し、必殺技「ZXイナズマキック」で敵を撃破。
こうして、バダン帝国の計画は阻止され、ZXは正式に仮面ライダーの仲間として認められることとなりました。
スペシャル番組の意義と影響
『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』は、仮面ライダーZXの初めての映像化作品であると同時に、昭和ライダーの集大成的な作品でもありました。
この作品を通じて、ZXは正式に仮面ライダーの歴史に名を刻むこととなり、以降のライダー作品にも登場するようになります。
また、この番組の影響で「仮面ライダーのクロスオーバー作品」という概念が強まり、後の『仮面ライダーディケイド』や『スーパーヒーロー大戦』といった作品の原点にもなりました。
ZXのその後の活躍とは?
仮面ライダーZXは、テレビシリーズこそ持たなかったものの、『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』以降もさまざまな作品で登場し続けています。
特に、平成・令和のライダー作品や漫画、小説といったメディアに登場し、「昭和最後のライダー」としての存在感を発揮しています。
ここでは、ZXが登場した代表的な作品やその活躍について紹介します。
平成・令和作品への登場
ZXは、昭和ライダーでありながら、平成・令和のライダー作品にも登場しています。
例えば、『仮面ライダーBLACK RX』では、アフリカでクライシス帝国と戦っていたことが語られました。
また、平成ライダーシリーズでは、『仮面ライダーディケイド』や『オールライダー対大ショッカー』、『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦』などに登場し、新たな世代のライダーたちと共演を果たしています。
特に『仮面ライダー大戦』では、ZXが「暗闇大使」に変装し、敵組織バダンの内部に潜入するというスパイ的な活躍を見せました。
漫画・小説・オリジナルビデオでの物語
ZXは、特撮以外のメディアでも活躍を続けています。
特に有名なのが、村枝賢一による漫画『仮面ライダーSPIRITS』です。
この作品では、ZXが主役級の扱いを受け、バダン帝国との激しい戦いが描かれています。
また、小説『S.I.C. HERO SAGA』では、ZXの新たな戦いが描かれ、彼の強化フォーム「ZX-Ⅱ」という新たな姿も登場しました。
仮面ライダーZXの魅力と再評価
仮面ライダーZXは、「幻のライダー」とも言われる存在でしたが、近年ではそのデザインや能力、ストーリーが再評価されています。
特に、忍者のような戦闘スタイルや、他のライダーとは異なるダークな設定がファンの間で支持されています。
また、最近のクロスオーバー作品への登場が増えたことで、ZXの知名度は徐々に向上し、「もっとZXの活躍を見たい」という声も多くなっています。
まとめ:仮面ライダーZXは幻ではない!
仮面ライダーZXは、テレビシリーズを持たなかったため**「幻のライダー」**と呼ばれることが多いですが、実際には特撮・漫画・小説・映画など、さまざまなメディアで活躍を続けています。
彼の物語は、単なる勧善懲悪ではなく、**改造人間としての苦悩と復讐の戦い**という、これまでのライダーとは異なるテーマを持っていました。
また、昭和最後の仮面ライダーとして、平成・令和の作品にも登場し、今なおファンの間で根強い人気を誇っています。
ZXの持つ忍者のような戦闘スタイルや、**他のライダーとは一線を画す「パーフェクトサイボーグ」という設定は、今見ても非常に魅力的です。
さらに、クロスオーバー作品にたびたび登場することで、新しい世代の仮面ライダーファンにもその存在が知られるようになりました。
これからも、仮面ライダーZXはさまざまな作品に登場し、その強さと魅力を見せてくれることでしょう。
「幻の10号ライダー」ではなく、「今もなお活躍するライダー」として、ZXの物語は続いていきます!
- 仮面ライダーZXは、テレビシリーズを持たない幻の10号ライダー
- バダン帝国に改造された村雨良が、自我を取り戻し復讐を誓う物語
- 1984年のスペシャル番組で初の映像化、歴代ライダーと共闘
- 平成・令和の作品にも登場し、クロスオーバー作品で再評価
- 漫画や小説でも活躍し、今なお人気の高いライダー