『仮面ライダーW』は、2009年から2010年にかけて放送された平成仮面ライダーシリーズ第11作です。
ハードボイルドな探偵ドラマの要素を取り入れたストーリーと個性的なキャラクターが魅力ですが、音楽の面でも多くの名曲が誕生しました。
特にオープニングテーマ「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」や、各フォームのテーマソングとして使用された挿入歌は、作品の雰囲気を一層盛り上げる重要な役割を果たしています。
本記事では、そんな『仮面ライダーW』のOP・挿入歌の魅力と制作秘話を徹底解説します!
この記事を読むとわかること
- 『仮面ライダーW』のOP・挿入歌の魅力と特徴
- 楽曲の制作秘話や使用されたシーンの詳細
- 作品全体における音楽の役割と影響
画像は公式サイトより引用。
『仮面ライダーW』のオープニングテーマ「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」
『仮面ライダーW』のオープニングテーマ「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」は、作品のスタイリッシュな世界観を象徴する楽曲です。
歌うのは上木彩矢 w TAKUYAで、ロックとジャズの要素を融合させた独特のサウンドが特徴となっています。
疾走感のあるメロディと、どこかミステリアスな雰囲気を持つ歌詞が、『W』の持つハードボイルドな探偵ドラマの雰囲気を際立たせています。
歌詞とメロディに込められたハードボイルドな世界観
「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」の歌詞には、「Wake up!」、「It’s show time!」といった、ドラマティックなフレーズが散りばめられています。
これらの言葉は、物語が始まる高揚感や、翔太郎とフィリップのコンビネーションを強調する役割を担っています。
また、サビの「W(ダブル) W-B-X」というフレーズは、主人公である仮面ライダーWの名前を直接的に表現しながら、曲のキャッチーさを引き立てています。
制作秘話:藤林聖子・鳴瀬シュウヘイ・TAKUYAが手掛けた楽曲の誕生秘話
作詞は、平成仮面ライダーシリーズで数々の名曲を生み出してきた藤林聖子が担当し、作曲は鳴瀬シュウヘイが手掛けました。
さらに、編曲にはTAKUYA(元JUDY AND MARY)も加わり、ロック要素を強調したアレンジが施されています。
TAKUYAは制作当初から「ハードボイルドな雰囲気をどう表現するか」にこだわり、ジャズとロックを融合させたサウンドを生み出しました。
特別仕様のオープニング映像と最終話のエンディング演出
第23・24話では、上木彩矢とTAKUYAがゲスト出演し、本編のセットをバックに2人が歌う特別仕様のオープニング映像が使用されました。
これにより、視聴者はより一層「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」の世界観を感じ取ることができました。
さらに、第28話・第48話では挿入歌として使用され、最終話ではエンディング曲として流れるという特別な演出が施されています。
このように、『仮面ライダーW』の象徴とも言える「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」は、単なるオープニングテーマにとどまらず、作品全体の音楽的な軸となる存在でした。
『仮面ライダーW』の戦闘を彩る挿入歌
『仮面ライダーW』でもエンディングテーマは存在せず、その代わりに戦闘シーンを盛り上げる挿入歌が数多く使用されました。
特に、仮面ライダーWの各フォームに対応した楽曲は、バトルの臨場感を一層引き立てる要素となっています。
また、これらの挿入歌は「風都で活動するバンドの楽曲」という設定が施されており、劇中の世界観をよりリアルに感じさせる工夫がなされています。
「Cyclone Effect」― サイクロンジョーカーの躍動感を表現
「Cyclone Effect」は、仮面ライダーWの基本フォームであるサイクロンジョーカーのテーマソングです。
作詞は藤林聖子、作曲はAYANOが担当し、爽快なメロディとエネルギッシュなリズムが特徴です。
この曲は、第3話から6話、9話、23話~25話、そして最終話近くの第45話で使用されました。
また、第21話と第48話ではバラード調の「acoustic edit.」が流れ、より感動的な演出がなされました。
「Finger on the Trigger」― ルナトリガーのスタイリッシュな戦闘曲
「Finger on the Trigger」は、仮面ライダーWのルナトリガーのテーマソングで、ジャズテイストのオシャレなサウンドが印象的です。
作詞は藤林聖子と兎音鼓、作曲・編曲は五十嵐“IGAO”淳一、歌はFlorida Keysが担当しました。
戦闘シーンで使用されるほか、翔太郎がカラオケで歌うシーンもあり、第23話では翔太郎とフィリップが「仮面シンガー」として歌うというユニークな演出がなされました。
2019年には、新たな編集を加えた「平成ベスト RE-EDIT ver.」として再収録され、多くのファンを喜ばせました。
「Free your Heat」― ヒートメタルの熱き戦い
「Free your Heat」は、仮面ライダーWのヒートメタルのテーマソングで、重厚なギターリフと熱いボーカルが特徴です。
作詞は藤林聖子、作曲・編曲はRyo、歌はGalveston 19が担当しています。
この曲は第10話、11話、13話、そして19話~21話で使用され、ヒートメタルの力強い戦闘をより迫力のあるものにしました。
「Leave all Behind」― 仮面ライダーアクセルの疾走感
「Leave all Behind」は、仮面ライダーアクセルのテーマソングであり、スピード感あふれるロックナンバーです。
作詞は藤林聖子、作曲はRyo、歌・編曲はWilma-Sidrが担当しました。
この楽曲は本編の第22話と44話で使用され、さらにスピンオフ作品『仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーアクセル』の主題歌にもなっています。
「Extreme Dream」― サイクロンジョーカーエクストリームの壮大な進化
「Extreme Dream」は、仮面ライダーWの最強フォームサイクロンジョーカーエクストリームのテーマソングです。
作詞は藤林聖子、作曲はAYANO、歌・編曲はLabor Dayが担当しています。
この曲は第46話と48話で使用され、最終決戦の盛り上がりを最大限に引き出しました。
「仮面ライダーW SPECIAL CD-BOX」に収録された後、ファン投票で決定したアルバム『KAMEN RIDER BEST 2000-2011』にも再収録されるなど、非常に人気の高い楽曲です。
これらの挿入歌は、各フォームの特徴や戦闘スタイルを音楽的に表現する役割を果たし、視聴者により深い没入感を与えてくれました。
『仮面ライダーW』のキャラクターソングの魅力
『仮面ライダーW』では、戦闘シーンを彩る挿入歌だけでなく、キャラクターソングも多くのファンに愛されています。
登場人物の個性を反映した楽曲が用意されており、それぞれの内面やストーリー性を深める重要な要素となっています。
特に、劇中で本人が歌うシーンがあったり、物語と密接に関係しているものが多く、ファンにとって特別な存在となっています。
「Naturally」― 園咲若菜(飛鳥凛)の歌声が紡ぐ妖艶な世界
「Naturally」は、園咲若菜(演:飛鳥凛)が歌うキャラクターソングで、彼女の持つミステリアスで妖艶な雰囲気を音楽で表現しています。
作詞は藤林聖子、作曲・編曲は鳴瀬シュウヘイが担当し、柔らかくも芯のあるボーカルが印象的です。
この曲は、若菜がラジオDJ「クイーン」として活動している設定ともリンクしており、劇中で流れるたびに彼女の存在感が際立ちました。
「Love♡Wars」― Queen & Elizabeth(板野友美 & 河西智美)のデュエット
「Love♡Wars」は、風都のアイドルユニットQueen & Elizabeth(板野友美 & 河西智美)が歌うキャラクターソングです。
作詞は藤林聖子、作曲・編曲は鳴瀬シュウヘイが手掛け、ポップで可愛らしい楽曲に仕上がっています。
第23話・24話では、クイーンとエリザベスがライブでこの曲を披露するシーンがあり、彼女たちのアイドルとしての存在感を強調しました。
「Nobody’s Perfect」― 鳴海荘吉が遺したメッセージ性の強いバラード
「Nobody’s Perfect」は、翔太郎の師匠である鳴海荘吉(演:吉川晃司)が歌うバラードです。
作詞は松井五郎、作曲と歌を吉川晃司自身が担当し、編曲は菅原弘明が手掛けました。
この楽曲は、第32話、38話、41話、42話で使用され、鳴海荘吉の生き様や、翔太郎への影響を象徴する重要なナンバーとなっています。
最終話の次回予告では、通常のオープニングテーマのインスト版ではなく、この楽曲が流れるという特別な演出が施されました。
「風都タワー」― 劇中のネタ曲としての異彩を放つ一曲
「風都タワー」は、ジミー中田(演:冨田佳輔)が劇中で歌った楽曲であり、ある意味で伝説的なネタ曲とも言えます。
劇中では、ライアー・ドーパントに操られた人以外には酷評されるという扱いでしたが、実は「本気で歌おうとすると非常に難しい曲」だとTAKUYAがコメントしています。
そのユニークさから、ファンの間でも語り継がれる楽曲のひとつとなりました。
これらのキャラクターソングは、登場人物たちの魅力をより深く引き出し、作品世界への没入感を高める大きな役割を果たしました。
『仮面ライダーW』の音楽が作品にもたらした影響
『仮面ライダーW』は、音楽の使い方が特に印象的な作品の一つとして知られています。
オープニングテーマ「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」や、戦闘シーンを彩る挿入歌、キャラクターソングの数々が、それぞれのシーンを強く印象づけ、作品全体の魅力を大きく引き上げました。
これらの楽曲がどのように『仮面ライダーW』に影響を与えたのか、具体的に見ていきましょう。
戦闘シーンの臨場感を高めた挿入歌の役割
『仮面ライダーW』では、フォームごとに異なる挿入歌が使用されることで、戦闘シーンの雰囲気を大きく変えることができました。
例えば、「Cyclone Effect」が流れるとサイクロンジョーカーの俊敏な動きが強調され、「Free your Heat」ではヒートメタルのパワフルな戦いが際立ちます。
これにより、視聴者はフォームチェンジごとに戦闘スタイルが変わることをより直感的に感じることができました。
ファンの記憶に刻まれる楽曲の数々
『仮面ライダーW』の楽曲は、放送終了後もファンの間で長く愛され続けています。
特に「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」は、カラオケでも定番の人気曲となり、さまざまなライブイベントでも披露されてきました。
また、「Finger on the Trigger」や「Extreme Dream」などの挿入歌も、劇中の名シーンと結びついて語り継がれています。
楽曲自体の完成度が高いことに加え、劇中の演出と完璧にシンクロしていたことが、長く愛される理由の一つです。
『W』の音楽が後の仮面ライダーシリーズに与えた影響
『仮面ライダーW』における音楽の活用方法は、後の仮面ライダーシリーズにも大きな影響を与えました。
特に、フォームごとにテーマ曲を設定し、戦闘シーンで挿入歌を流すスタイルは、以降の作品でも多く採用されています。
例えば、『仮面ライダーエグゼイド』や『仮面ライダービルド』なども、重要な戦闘シーンで挿入歌を使用することで、視聴者のテンションを上げる演出が増えました。
また、キャラクターソングを劇中の設定とリンクさせる手法も、『仮面ライダーW』が確立したものの一つです。
まとめ:『仮面ライダーW』の名曲たちが紡ぐ物語
『仮面ライダーW』は、音楽の力を最大限に活用した作品でした。
オープニングテーマ「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」は、作品の世界観を象徴する楽曲として、放送終了後もファンに愛され続けています。
また、各フォームごとに用意された挿入歌は、戦闘シーンを盛り上げるだけでなく、仮面ライダーWの多彩な戦い方をより強く印象づけました。
さらに、キャラクターソングも充実しており、登場人物たちの個性をより深く表現する役割を果たしました。
特に「Nobody’s Perfect」は、鳴海荘吉の生き様を象徴するバラードとして、多くの視聴者の心に残る楽曲となりました。
このように、音楽は『仮面ライダーW』のストーリーやキャラクターをより魅力的に描き出す重要な要素でした。
そして、その手法は後の仮面ライダーシリーズにも影響を与え、音楽の力を活かした演出が当たり前のものとなっていきました。
今でもファンの間で語り継がれる『仮面ライダーW』の名曲たち。
それはまさに、音楽と物語が一体となって生まれた奇跡のような作品だからこそ、多くの人の心に刻まれ続けているのかもしれません。
この記事のまとめ
- 『仮面ライダーW』のOPテーマ「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」の魅力を解説
- フォームごとの挿入歌が戦闘シーンを盛り上げる役割を果たした
- キャラクターソングが登場人物の個性や物語と深く結びついている
- 音楽が『仮面ライダーW』の世界観を支え、後のシリーズにも影響を与えた