『仮面ライダー555(ファイズ)』は、2003年に放送された平成仮面ライダーシリーズの第4作です。
オルフェノクという人類の進化形と、仮面ライダーたちの戦いを描いた本作は、シリアスなストーリー展開や魅力的なキャラクターたちが話題となりました。
この記事では、『仮面ライダー555』の全話の流れを追いながら、乾巧=仮面ライダーファイズの戦いの結末までを詳しく解説します。
この記事を読むとわかること
- 『仮面ライダー555』の全話あらすじを詳しく解説
- ファイズ、カイザ、デルタの戦いの流れとキャラクターの成長
- 乾巧の戦いの結末と作品が伝えたテーマ
画像は公式サイトより引用。
第1話~第10話:ファイズ誕生とオルフェノクとの戦い
物語の始まりは、一人旅をしていた青年・乾巧(いぬい たくみ)が、謎の怪人・オルフェノクに襲われる場面から始まります。
偶然、園田真理(そのだ まり)という少女と出会い、彼女が持つ「ファイズギア」によって仮面ライダーファイズに変身することになります。
しかし、巧自身は戦いに巻き込まれることを望んでおらず、最初は戦うことに戸惑いを見せます。
乾巧と園田真理の出会い
真理は、謎の巨大企業「スマートブレイン」に狙われており、その理由は彼女の父親が開発した「ファイズギア」にありました。
真理は父の遺志を継ぎ、ファイズギアを正しく使う者を探していましたが、巧が偶然それを手にしてしまったことで運命が変わります。
最初は戦いを拒む巧でしたが、彼の持つ正義感から次第にオルフェノクとの戦いを受け入れるようになります。
スマートブレインとオルフェノクの脅威
オルフェノクとは、一度死亡した人間が進化した存在で、通常の人間を襲うことができる恐るべき力を持っています。
彼らを統率する組織「スマートブレイン」は、オルフェノクが人類を支配する未来を目指しており、その計画のためにファイズギアを回収しようと暗躍します。
そんな中、巧はオルフェノクと戦いながらも、「なぜオルフェノクは人間を襲うのか?」という疑問を抱き始めます。
この序盤では、ファイズの誕生とともに、オルフェノクという存在の謎が提示され、物語の大きなテーマが動き始めます。
第11話~第30話:ライダー同士の対立と新たな真実
ファイズとして戦い続ける乾巧の前に、新たな仮面ライダー「カイザ」が登場します。
カイザに変身するのは、流星塾の生き残りであり、冷徹な性格を持つ草加雅人(くさか まさと)。
彼はオルフェノクを強く憎み、オルフェノクの正体を持つ巧を疑いながらも共闘することになります。
草加雅人とカイザの登場
草加雅人は、かつてオルフェノクに襲われた経験があり、その復讐心からオルフェノクを徹底的に排除しようとします。
彼が手にした「カイザギア」は、ファイズギアとは異なり、適合しない者が使用すると命を落とすという危険なもの。
草加は巧に対して敵意をむき出しにし、「お前がオルフェノクではないか?」と疑い続ける一方で、共通の敵と戦うためにやむを得ず協力します。
乾巧の正体が明らかに
一方、オルフェノク側では、木場勇治(きば ゆうじ)が人間との共存を模索し始めます。
しかし、オルフェノクの本能に逆らえない者も多く、次第に木場も葛藤を深めていきます。
そんな中、巧自身が「ウルフオルフェノク」であることが判明。
人間として生きてきた巧にとって、この事実は大きな衝撃でしたが、それでも「俺は俺だ」と自分の信じる道を進むことを決意します。
この中盤では、ライダー同士の確執が激化し、乾巧のアイデンティティに関する大きな転機が訪れます。
第31話~第45話:デルタの登場と戦いの激化
物語が進むにつれ、新たな仮面ライダー「デルタ」が登場し、戦いはさらに複雑になっていきます。
デルタギアを巡る争いが激化する中、スマートブレインの社長・村上峡児(むらかみ きょうじ)が本格的に動き出し、オルフェノクの王を探し始めます。
乾巧、木場勇治、草加雅人の3人は、それぞれの信念を抱えながら、より熾烈な戦いに身を投じていきます。
三原修二が仮面ライダーデルタに
デルタギアは、これまで何度も持ち主を変えてきた不安定なライダーシステムでした。
しかし、最終的に三原修二(みはら しゅうじ)がその力を受け継ぎ、仮面ライダーデルタとして戦うことになります。
臆病な性格だった三原ですが、戦いを通じて成長し、巧や草加と共にオルフェノクに立ち向かう覚悟を決めます。
オルフェノクの王の存在が判明
スマートブレインは、オルフェノクの王の存在を明かし、オルフェノクたちを支配しようとします。
オルフェノクの王は、オルフェノクに「永遠の命」を与える存在であり、彼が覚醒すれば人類は滅亡する運命にありました。
木場勇治は、人類との共存を望みながらも、オルフェノクの宿命に苦しみ、次第にその心が揺らぎ始めます。
さらに、草加雅人は戦いの中で致命傷を負い、壮絶な最期を迎えます。
彼の死は、巧や木場にとって大きな影響を与え、最終決戦へと向かう決意を固めることになります。
この終盤では、それぞれのキャラクターが運命の選択を迫られ、物語はクライマックスへと突入します。
第31話~第45話:デルタの登場と戦いの激化
物語は新たな局面を迎え、3本目のライダーズギア「デルタギア」が登場します。
デルタギアを巡る争いが激化し、仮面ライダーデルタとして三原修二(みはら しゅうじ)が戦いに参加します。
一方、スマートブレインは「オルフェノクの王」の存在を示唆し、世界を変える計画を本格的に動かし始めます。
三原修二が仮面ライダーデルタに
デルタギアは、他のライダーズギアと異なり、装着者に強力な戦闘力を与えるものの、精神に悪影響を及ぼすリスクを持っていました。
一時的に澤田亜希(さわだ あき)がデルタの力を使用しますが、最終的に意志の弱い三原修二がギアを手にすることになります。
戦いに消極的だった三原は、デルタギアを通じて自身の恐怖と向き合い、次第に成長していきます。
オルフェノクの王の存在が判明
スマートブレインのトップである村上峡児(むらかみ きょうじ)は、オルフェノクの王を目覚めさせることで、人類を支配しようと目論みます。
その王こそが、幼い少年・澤田照夫(さわだ てるお)であり、彼が完全に覚醒すれば、すべてのオルフェノクが真の力を得ると言われていました。
しかし、オルフェノクの王の覚醒は、オルフェノク自身の滅びをも意味しており、木場勇治たちはこの計画に異を唱えます。
この終盤では、オルフェノクの未来を巡る戦いが激化し、ライダーたちもそれぞれの信念のもとで戦い続けます。
最終話:ファイズの戦いの結末
オルフェノクの王の覚醒が迫る中、乾巧、木場勇治、そしてスマートブレインの思惑が交錯し、最終決戦が幕を開けます。
オルフェノクの存続を望む木場は、人類との共存を捨て、オルフェノクの王と共に戦う道を選びます。
一方、巧はファイズとして最後まで戦い抜くことを決意します。
スマートブレインとの最終決戦
木場勇治は、自らの理想を叶えるため、仮面ライダーファイズと激突。
かつて共存を願った木場でしたが、裏切りや戦いの中で人間不信に陥り、「人間かオルフェノクか」という究極の選択を迫られていました。
壮絶な戦いの末、ファイズブラスターの必殺技によって木場は倒れますが、最期の瞬間にかつての優しさを取り戻し、巧に「ありがとう」と言い残して息を引き取ります。
乾巧の旅の続き
戦いが終わり、スマートブレインの支配も崩壊。しかし、乾巧自身は「ウルフオルフェノク」としての運命から逃れることはできませんでした。
オルフェノクである限り、彼もまた長くは生きられない運命にあるのです。
それでも巧は、自分の存在意義を見つめ直し、「俺は戦う。ただそれだけだ」と呟きながら旅立っていきます。
こうして『仮面ライダー555』の物語は幕を閉じました。
まとめ:『仮面ライダー555』が伝えたテーマとは?
『仮面ライダー555』は、単なるヒーローアクションではなく、「人間とオルフェノクの共存」というテーマを深く掘り下げた作品でした。
乾巧、木場勇治、草加雅人の三者三様の価値観がぶつかり合い、時に協力し、時に敵対しながら物語が進行していきました。
その中で描かれたのは、「種族の違いを超えた理解の可能性」と、「信じる道を貫くことの難しさ」です。
「戦うこと」の意味を問いかけた物語
本作では、ヒーロー=完全な正義ではなく、それぞれのキャラクターが持つ信念がぶつかり合いました。
巧は「オルフェノクでありながら人間のために戦う」という葛藤を抱え、木場は「人間との共存を願いながらも、結局は対立せざるを得なかった」という悲劇の運命を辿ります。
そして草加雅人は、「オルフェノクを憎むあまり、自らが憎しみに支配されてしまう」という結末を迎えました。
乾巧の旅は続く――その意味とは?
最終話で巧は旅立ち、「俺は戦う。ただそれだけだ」という言葉を残します。
彼はオルフェノクである以上、いずれ寿命が尽きることを理解していましたが、それでも最後まで自分の信じた道を進むことを選びました。
このラストシーンは、視聴者に「戦うことの意味」を改めて考えさせる、強いメッセージが込められています。
『仮面ライダー555』は、単なる勧善懲悪の物語ではなく、「立場が違っても、人は理解し合えるのか?」という問いを投げかけた作品でした。
ファイズの戦いは終わりましたが、そのメッセージは今もなお、多くのファンの心に刻まれています。
この記事のまとめ
- 『仮面ライダー555』は、人間とオルフェノクの戦いを描いた物語
- 乾巧は仮面ライダーファイズとして戦い、自身の正体と向き合う
- カイザやデルタの登場で、ライダー同士の対立が激化
- オルフェノクの王の存在が明かされ、物語は最終決戦へ
- 最終話では木場勇治との戦いの末、巧は旅立ちを決意
- 「俺は戦う。ただそれだけだ」という巧の言葉が印象的なラスト
- 本作は「共存」と「信念」をテーマにした深いストーリーが魅力